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朝日の記事「変わる性犯罪と法」


性犯罪は、あまりにもひどい被害で被害届を出すのすらできないで、犯罪の中でも圧倒的な件数なのに、なかなかそれが理解されないことが多いという。

松島みどり元法相が有識者検討会で議論し、今年7月の刑法改正まで、強姦の刑が強盗よりより軽かったなんて、よくよく考えればおかしな話だ。

厳罰化も進み、警察の対応も、被害者を支援する組織も充実するなど被害者にとっての進展がある。
あとは、こうして報道されて変わってきているこの事自体が周知されることが大事だと思う。


 (教えて!変わる性犯罪と法:1)性別限定せず、非親告罪に
朝日新聞デジタル  
2017年9月20日05時00分

 性犯罪についての刑法の規定が今年7月、改正されました。明治時代に現行刑法が制定されて以来110年ぶり。何が性犯罪として処罰されるのか。改正のポイントと、今後の課題を4回にわたり紹介します。


 7月13日に改正刑法が施行され、「強姦(ごうかん)罪」は「強制性交罪」に改められた。施行日以降に起きた事ログイン前の続き件に新しい罪名が適用されている。名前が変わっただけではない。強姦罪は女性を姦淫(かんいん)した場合に限られたが、強制性交罪は、被害者の性別を限定せず、性交類似行為まで対象を広げた。男性が被害にあった場合など、これまで強制わいせつ罪で裁かれていた行為の一部が、より重い罪に問われるようになった。さらに「監護者性交罪」「監護者わいせつ罪」という、親など、子どもを「監護する者」が加害者となった場合の処罰規定が新設された。

 また、性犯罪はすべて非親告罪になった。これまで、性犯罪の多くは被害届だけでは足りず、被害者の「告訴」がないと起訴できない「親告罪」だった。

 これまでは、10歳の少女が母親の交際相手を告訴した強制わいせつ事件で「10歳の告訴能力」が公判で疑問視されたり、知的障害のある被害者の告訴能力が疑問視されたりして、判決で公訴が棄却されたことがあった。これからは、告訴能力の問題で門前払いされることはなくなる。

 性犯罪を処罰する日本の刑法は、国内外からたびたび見直しを求められてきた。2014年に法相に就任した松島みどり氏が就任会見で「審議の糸口を省内に作る」と宣言して、有識者の検討会が設けられ、議論が動き出した。松島氏は当時「女性の政治家であることを普段はそれほど意識しないが、性犯罪の法律についてはおかしいと思ってきた」と述べ、強盗の方が強姦より法定刑が重いことを例に挙げた。

 今回の改正で、強制性交罪の法定刑の下限は、強盗罪と同じ5年になった。判決では、既に性犯罪の厳罰化が進み、強盗より重い傾向になっている。


 ■相談増、内容も多様化

 警察庁の犯罪統計によると、過去20年の性犯罪の認知件数のピークは、強姦、強制わいせつともに2003年。強姦2472件、強制わいせつ1万29件だった。16年には強姦が千件を割って989件に、強制わいせつが6188件に減少している。

 しかし、犯罪として表面化するのは、ごく一部だ。内閣府の調査で、無理やり性交されたことがある、と回答した女性のうち、警察に相談したのは4・3%だった。

 被害相談は、急増している。全国被害者支援ネットワークのまとめによると、「性被害」の相談のべ件数は、13年には5542件だったが、16年度(15年度から年度で計算)は1万2419件に倍増した。

 楠本節子・大阪被害者支援アドボカシーセンター顧問は「被害者が『私も声をあげていいんだ』と思えるようになったことが大きい」と話す。「2000年に性犯罪の告訴期間の制限撤廃など大きな動きがあり、被害者が顔を出して自ら語るようになり、社会の理解が徐々に深まった」

 議論になり、配慮が進み、氷山が少し姿を現し、また新たな課題が浮かぶ。それを繰り返すうち、相談が増えるだけではなく、内容も変化してきたという。

 同センターは1996年スタート。初め電話相談中心に活動したころは「過去の性被害の相談が多かった」。刑事手続きのサポート、メンタルケアなど支援できることが増えると、最近の被害の相談が増え、「子どもの被害についての親からの相談も増えている」と楠本さんは話す。

 性被害は長らく、沈黙のなかに封じ込められ「たいしたことはない」とされた。被害者の声の広がりが、実態を社会に知らせ、明治以来の刑法規定の見直しを迫る原動力になった。

 (河原理子)

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